昨日、つまらない事で妹と喧嘩した。
 今朝起きたら、妹が猫になってた。

 〇

 窓から差し込む朝の光で、目が覚めた。

―まだ。眠いのに…―

 カーテンを閉め忘れて寝たのだろうか、壁に反射した朝日が眩しい。
 寝不足で、寝返りを打つのさえ、億劫。
 首だけ捩じり、薄目を開けて、時計を見る。

―まだ、六時半じゃん…。三時間しか寝てないよ…―

 今日から八月。
 夏休みといいながら、昨日までは補習授業があった。
 丸一日休みとなる夏休み最初の日。
 今日は朝寝坊しても構わない…。そう思っていたのに。

―みんな、あのバカ妹のせいだ。
 翠《ミドリ》のばか。バーカ、バーカ、バカ妹!―

 瞼の裏に、翠の顔が浮かぶ。
 暢気な笑顔。なんか、憎たらしい。
 そのイメージを振り払うように、寝返りを打つ。