台所で過ごすために掃除を急いで終わらせるようになったのは、実は私だけじゃない。
いつの間にか、コンくんまでここに入り浸るようになった。
雨天様は、最初の三日間こそ注意をしていたけれど……。
今までと同じように完璧に家事をこなした上でここに来るコンくんを、叱ったりすることはなかった。
「今日はおはぎだ」
「コンは、おはぎが大好きです!」
雨天様の言葉に、コンくんが歓喜の声を上げた。
ピョンと跳ねた姿に微笑んだけれど、そもそもコンくんが好き嫌いしているところなんて見たことがなくて、毎回同じようなセリフを聞いていることに気づいた。
「コンくんって、嫌いなものはないの?」
「雨天様がお作りになられるものは、どれも大好物にございます!」
得意げな声に、思わず小さく噴き出した。
そんな私たちを見る雨天様の瞳は、とても優しい。
「ひかり、お皿を取ってくれ。大皿と、小皿が何枚か欲しい」
「はーい」
「ああ、小皿は九谷焼がよいな」
台所に入り浸っている私は、よく使う食器や調味料の場所は覚えてしまった。
毎食後の片付けを、ギンくんと一緒にするようになったおかげだと思う。
いつの間にか、コンくんまでここに入り浸るようになった。
雨天様は、最初の三日間こそ注意をしていたけれど……。
今までと同じように完璧に家事をこなした上でここに来るコンくんを、叱ったりすることはなかった。
「今日はおはぎだ」
「コンは、おはぎが大好きです!」
雨天様の言葉に、コンくんが歓喜の声を上げた。
ピョンと跳ねた姿に微笑んだけれど、そもそもコンくんが好き嫌いしているところなんて見たことがなくて、毎回同じようなセリフを聞いていることに気づいた。
「コンくんって、嫌いなものはないの?」
「雨天様がお作りになられるものは、どれも大好物にございます!」
得意げな声に、思わず小さく噴き出した。
そんな私たちを見る雨天様の瞳は、とても優しい。
「ひかり、お皿を取ってくれ。大皿と、小皿が何枚か欲しい」
「はーい」
「ああ、小皿は九谷焼がよいな」
台所に入り浸っている私は、よく使う食器や調味料の場所は覚えてしまった。
毎食後の片付けを、ギンくんと一緒にするようになったおかげだと思う。