明美には変に思われたらどうしようとは思ったが、浜崎さんが部活にこれなくなったきっかけとなった大会の曲のCDを借りてきた。
昨日は結局何もできなかったが、ミーコさんから坂部くんのこの店に対する思いのようなものを聞いて、私も何か力になりたいと思ったのだ。
「だからって、ちょっと荒療治過ぎな気もするが……。大丈夫か?」
「でも、こうでもしないと話すきっかけがわからないし……」
もともと私と浜崎さんには何の接点もない。
明美の後輩だということを私が一方的に知っているだけで、浜崎さんにとって私は同学年ですらない名前も知らないカフェの店員だ。
作戦としては、このCDの問題の曲を浜崎さんが来たときに流し、その反応を見て浜崎さんに話しかけるといった具合だ。
「けど、かえってこれだと浜崎さんの傷をえぐることにならないか?」
「じゃあ坂部くんは他に良い方法あるの?」
「特にないが」
何よ、結局ないんじゃない。
それなら、やっぱりこの作戦でいくしかないじゃない。
でも、流れる吹奏楽の音色を聞いて、ふとあることに気づいてしまった。
「もしかして、浜崎さんがまたココに来るとも限らないのかな」
何で今まで疑問に思わなかったのか不思議なくらいだ。
一度来たからといって、また同じカフェにケーキを食べに来る保証はない。
中には、京子さんみたいにものすごく頻繁に顔を出してくれる常連客もいるけれど、むしろ京子さんが少数派だ。
昨日は結局何もできなかったが、ミーコさんから坂部くんのこの店に対する思いのようなものを聞いて、私も何か力になりたいと思ったのだ。
「だからって、ちょっと荒療治過ぎな気もするが……。大丈夫か?」
「でも、こうでもしないと話すきっかけがわからないし……」
もともと私と浜崎さんには何の接点もない。
明美の後輩だということを私が一方的に知っているだけで、浜崎さんにとって私は同学年ですらない名前も知らないカフェの店員だ。
作戦としては、このCDの問題の曲を浜崎さんが来たときに流し、その反応を見て浜崎さんに話しかけるといった具合だ。
「けど、かえってこれだと浜崎さんの傷をえぐることにならないか?」
「じゃあ坂部くんは他に良い方法あるの?」
「特にないが」
何よ、結局ないんじゃない。
それなら、やっぱりこの作戦でいくしかないじゃない。
でも、流れる吹奏楽の音色を聞いて、ふとあることに気づいてしまった。
「もしかして、浜崎さんがまたココに来るとも限らないのかな」
何で今まで疑問に思わなかったのか不思議なくらいだ。
一度来たからといって、また同じカフェにケーキを食べに来る保証はない。
中には、京子さんみたいにものすごく頻繁に顔を出してくれる常連客もいるけれど、むしろ京子さんが少数派だ。