そのまま坂部くんは私が向かおうとしていた商店街へと入っていくので、自然と私もそれについて行くような形になってしまった。

 決して坂部くんのあとをつけているわけではないのに、何だか罪悪感のようなものを覚える。


 坂部くんは商店街を真ん中辺りまで歩いたところで、店舗と店舗の間の細い路地を通って中に入っていった。

 商店街のことはある程度知っているつもりだけど、細い路地を入っていったところで何があるのだろう?

 そんな疑問から、思わず坂部くんの入っていった路地の方へ足を踏み入れる。すると、少し先に坂部くんの後ろ姿が見えた。


 これじゃあ本当にあとをつけてるみたいだと思いながら、その先の行き止まりまで歩く坂部くんに気づかれないように、彼の姿を目で追う。

 すると、坂部くんが行き止まりで左に曲がったのが見えて、私は慌てて彼の進んだ路地を突き当たりの手前まで進んだ。


 突き当たりの角から、坂部くんが曲がった方を見やる。

 すると、オレンジを基調とした三角屋根のカフェのようなこぢんまりとしたお店が一軒、住宅と商店街の店舗の建物の間に窮屈そうに建っていた。


 屋根のところから下がる看板には『寄り道カフェ』と手書き風の文字で彩られている。

 こんなお店、今まで商店街に何度も足を運んでいたけど知らなかった。


 ショーケースなどはなく、外に小さな黒板が出ているだけだ。

 そこにはメニューなどは書かれていないものの、白色の文字で『疲れたときは寄り道も悪くない。甘いものでほっこりしよう』と書かれていた。

 今の私の心境にぴったりなフレーズは、スッと私の胸に入ってきた。


 中はどんな感じなんだろう……?