何か甘いものでも食べて帰ろう。
私は、実は相当な甘党だ。
十五センチのホールのケーキくらいなら、余裕で一人で食べ尽くせる。
だから、今日みたいにちょっと気分が晴れない日は、商店街にいくつかあるカフェや甘味処で幸せをチャージして帰るのだ。
「あ……っ」
商店街が見えてきたとき、思わず見たことのある横顔がすぐそばの果物屋から出てきた。
サラサラの漆黒の髪に、何を考えているかわからない切れ長の瞳。人を寄せ付けないクールな雰囲気の制服姿の男子は、クラスメイトの坂部銀士のものだ。
整った目鼻立ちから四月の初めにはイケメンだとクラスメイトの女子たちに騒がれていたが、あまりのクールさに女子たちは辟易してしまったのか、今は隠れファンが少しいる程度だ。
そんな坂部くんが果物屋から出てきたうえ、さらには彼の持つビニール袋が透明なことから、オレンジやバナナ、リンゴやメロン、フルーツ缶などが見えている。
失礼かもしれないけど、何だか意外だ。
坂部くんって、実は相当な果物好きとか……?
私は、実は相当な甘党だ。
十五センチのホールのケーキくらいなら、余裕で一人で食べ尽くせる。
だから、今日みたいにちょっと気分が晴れない日は、商店街にいくつかあるカフェや甘味処で幸せをチャージして帰るのだ。
「あ……っ」
商店街が見えてきたとき、思わず見たことのある横顔がすぐそばの果物屋から出てきた。
サラサラの漆黒の髪に、何を考えているかわからない切れ長の瞳。人を寄せ付けないクールな雰囲気の制服姿の男子は、クラスメイトの坂部銀士のものだ。
整った目鼻立ちから四月の初めにはイケメンだとクラスメイトの女子たちに騒がれていたが、あまりのクールさに女子たちは辟易してしまったのか、今は隠れファンが少しいる程度だ。
そんな坂部くんが果物屋から出てきたうえ、さらには彼の持つビニール袋が透明なことから、オレンジやバナナ、リンゴやメロン、フルーツ缶などが見えている。
失礼かもしれないけど、何だか意外だ。
坂部くんって、実は相当な果物好きとか……?