お店の外に出て私はドアプレートをopenの面に変えると、外の掃除用具入れから箒を取り出して、寄り道カフェのテラス部分と二段の階段を掃く。
今はまだ九月だからそれほどでもないが、これから寒くなってくると落ち葉が増えて掃除が手間取るようになるんだとか、ミーコさんが言っていた。
「……こんなもんかな」
ひととおり店回りが綺麗になり、再び寄り道カフェ店内に入ろうとする。
そのときドアの方を向いた私の背後から、ここ最近何度か聞いた女性の声が聞こえた。
「ああ、新入りちゃんじゃない!」
「京子さん、いらっしゃいませ」
肩までのウェーブのかかった茶髪を揺らして、赤色の半袖のワンピースを着たお洒落な女性は、この寄り道カフェの常連さんの、丸山京子さんだ。
私はまだ働きだして一週間が過ぎた頃だが、すでに何度も顔を合わせている。
詳しい年齢はわからないが、見た感じの印象から、恐らく二十代前半といったところだろうか。
にこやかな笑みは人懐っこくて、どちらかというと人見知りの私でさえ、初対面から話しやすい印象を持っている。
「どうぞ、中へ」
京子さんを中へ招き入れようとドアを開けるが、京子さんはさっきまでのにこやかな笑みを消して、切羽詰まったように私の両肩をガシッと両手でつかんできた。
「あの、京子さん?」
「新入りちゃん、どうしよう……」
「……どうかされたのですか?」
今はまだ九月だからそれほどでもないが、これから寒くなってくると落ち葉が増えて掃除が手間取るようになるんだとか、ミーコさんが言っていた。
「……こんなもんかな」
ひととおり店回りが綺麗になり、再び寄り道カフェ店内に入ろうとする。
そのときドアの方を向いた私の背後から、ここ最近何度か聞いた女性の声が聞こえた。
「ああ、新入りちゃんじゃない!」
「京子さん、いらっしゃいませ」
肩までのウェーブのかかった茶髪を揺らして、赤色の半袖のワンピースを着たお洒落な女性は、この寄り道カフェの常連さんの、丸山京子さんだ。
私はまだ働きだして一週間が過ぎた頃だが、すでに何度も顔を合わせている。
詳しい年齢はわからないが、見た感じの印象から、恐らく二十代前半といったところだろうか。
にこやかな笑みは人懐っこくて、どちらかというと人見知りの私でさえ、初対面から話しやすい印象を持っている。
「どうぞ、中へ」
京子さんを中へ招き入れようとドアを開けるが、京子さんはさっきまでのにこやかな笑みを消して、切羽詰まったように私の両肩をガシッと両手でつかんできた。
「あの、京子さん?」
「新入りちゃん、どうしよう……」
「……どうかされたのですか?」