今まで自分には何もない、何もできないと、何もせずに生きてきたけれど、思いきって新しいことを始めて、もがきながらも一生懸命やっているうちに、それが次第に自分の自信に繋がっていってるんだと思う。
「それならいいんだよ。綾乃ちゃんにとってここで働くことがプラスになっているのなら」
「……え?」
「これからもちゃんとお勉強して、ギンの手伝いもしっかりするんだよ」
「うん……!」
今まで顔を合わせれば勉強と必ず口にしていた祖母は、私の中でどこか苦手意識があった。
今回のバイトのことを知られても、頭ごなしに否定されるとしか思ってなかった。
だけど祖母は、私にとってプラスになると判断したら、こうやって背中を押してくれるんだ。
そんな祖母を見ていると、今までも決して意地悪で勉強と言ってきていたわけではなく、きっと祖母なりに私を案じてくれていたのではないかと思えてくる。
祖母は私とクリームブリュレを食べ終えると、坂部くんからこのお店の話を聞いていた。
祖母と坂部くんが話しているのをぼんやりと眺めていると、私の隣にスッとミーコさんがやってきた。
「雛乃様は綾乃さんのおばあさまだったのですね。初めて綾乃さんと会ったときから、若い頃の雛乃様と雰囲気が似てるなと思ってましたが、そういうことだったのですね」
「え? そんなに似てますか……?」
いくら今、祖母に対するイメージが少し変わったとはいえ、今までの印象がよくなかっただけに、似てると言われてもあまり嬉しくないのが正直なところだ。
けれど、ミーコさんはそんな私の心境も知らずににこりと微笑む。
「それならいいんだよ。綾乃ちゃんにとってここで働くことがプラスになっているのなら」
「……え?」
「これからもちゃんとお勉強して、ギンの手伝いもしっかりするんだよ」
「うん……!」
今まで顔を合わせれば勉強と必ず口にしていた祖母は、私の中でどこか苦手意識があった。
今回のバイトのことを知られても、頭ごなしに否定されるとしか思ってなかった。
だけど祖母は、私にとってプラスになると判断したら、こうやって背中を押してくれるんだ。
そんな祖母を見ていると、今までも決して意地悪で勉強と言ってきていたわけではなく、きっと祖母なりに私を案じてくれていたのではないかと思えてくる。
祖母は私とクリームブリュレを食べ終えると、坂部くんからこのお店の話を聞いていた。
祖母と坂部くんが話しているのをぼんやりと眺めていると、私の隣にスッとミーコさんがやってきた。
「雛乃様は綾乃さんのおばあさまだったのですね。初めて綾乃さんと会ったときから、若い頃の雛乃様と雰囲気が似てるなと思ってましたが、そういうことだったのですね」
「え? そんなに似てますか……?」
いくら今、祖母に対するイメージが少し変わったとはいえ、今までの印象がよくなかっただけに、似てると言われてもあまり嬉しくないのが正直なところだ。
けれど、ミーコさんはそんな私の心境も知らずににこりと微笑む。