今はちょうど手隙の時間だったようで、ミーコさんも空いたテーブルでアイスコーヒーを飲んでるようだった。
ミーコさんは奥の席に私と祖母を通し、坂部くんはすぐに奥から本日のケーキと祖母のウーロン茶と私のカプチーノを持って来てくれる。
本日のケーキはクリームブリュレだ。
目の前に出されると食べないなんてできなくて、私はさっそく硬い表面にスプーンを入れると、トロリととろける中身をいただく。
「うーん、甘くて美味しい!」
「本当に。綾乃ちゃんは昔から甘いものに目がないからねぇ。でもまさか綾乃ちゃんがココを知ってるなんて思わなかったわ」
「あ、はは……っ」
ここは一体なんて説明すればいいのだろう?
近所の商店街のすぐそばとはいえ、偶然通りかかるような場所でもないし、適当な説明が思い浮かばない。
教育熱心の祖母にバイトをしてるだなんて、私の口からはとてもじゃないけど言えない。
「綾乃さんは親しくてもらっているクラスメイトということもあって、うちの店を手伝ってもらっているんですよ」
けれど、そんな私の意思と反して、あっさりと坂部くんが祖母に伝えてしまう。
坂部くんってば、余計なことを……!
「ほぉ。綾乃ちゃんが、ギンのお店を?」
祖母の目がこちらに向けられる。
「おばあちゃん、そんなこと聞いてない気がするけどねぇ」
最近ものすごく忘れっぽくなった祖母は、いつもこの文言を口癖のように言っているらしい。
だからたとえ祖母にバイトのことを話していたとしても、同じことを言われていた可能性は高い。
ミーコさんは奥の席に私と祖母を通し、坂部くんはすぐに奥から本日のケーキと祖母のウーロン茶と私のカプチーノを持って来てくれる。
本日のケーキはクリームブリュレだ。
目の前に出されると食べないなんてできなくて、私はさっそく硬い表面にスプーンを入れると、トロリととろける中身をいただく。
「うーん、甘くて美味しい!」
「本当に。綾乃ちゃんは昔から甘いものに目がないからねぇ。でもまさか綾乃ちゃんがココを知ってるなんて思わなかったわ」
「あ、はは……っ」
ここは一体なんて説明すればいいのだろう?
近所の商店街のすぐそばとはいえ、偶然通りかかるような場所でもないし、適当な説明が思い浮かばない。
教育熱心の祖母にバイトをしてるだなんて、私の口からはとてもじゃないけど言えない。
「綾乃さんは親しくてもらっているクラスメイトということもあって、うちの店を手伝ってもらっているんですよ」
けれど、そんな私の意思と反して、あっさりと坂部くんが祖母に伝えてしまう。
坂部くんってば、余計なことを……!
「ほぉ。綾乃ちゃんが、ギンのお店を?」
祖母の目がこちらに向けられる。
「おばあちゃん、そんなこと聞いてない気がするけどねぇ」
最近ものすごく忘れっぽくなった祖母は、いつもこの文言を口癖のように言っているらしい。
だからたとえ祖母にバイトのことを話していたとしても、同じことを言われていた可能性は高い。