今なら、坂部くんも素直な気持ちになってるみたいだし、もっと踏み込んだことを聞いてもいいだろうか。
“俺みたいに他と違う奴”と坂部くんが言った、本当の意味を。
坂部くんは、本当は由梨ちゃんと同じようにあやかしでありながら人間でもあるのだろうか。
「あ、あのさ……へっくしゅん」
だけどそのとき、再び窓から冷たい風が入ってきて、思わずくしゃみをして身震いしてしまう。
「……寒いのか?」
「え? ああ、上着を教室に忘れてきちゃって……」
もう、何でこんな肝心なときにくしゃみが出るのよ。
だけどそのときだった。ふわりと私の身を温もりが包んだ。
一瞬、何が起こったかわからなかった。
さっきまで寒さを堪えていた身体はもう寒くなくて、むしろ温かい。
異様にドキドキと心臓が鳴って、すぐには上手くしゃべることができなかった。
いつの間にか坂部くんは、自分の上着を脱いで私の背に羽織らせてくれていたのだ。
「……えっ、と。あ……」
それでも何か話そうと口を開いても、意味不明な文字列が飛び出すばかりだ。
「寒いんだろ? なら、それ着とけ」
「えと、あ、ありがとう……」
どうしよう。何で私はこんなにドキドキしているのだろう。
見上げた先にあるのは、見慣れているはずの人間の姿の坂部くんのものなのに、何でこんなに緊張しているのだろう。
私につられてなのか、坂部くんの顔もいつもより少し赤い気がする。
あまりにも私が見てたからなのだろう。坂部くんは私からきまりが悪そうに目をそらすと、教室の方へ歩いていってしまった。
“俺みたいに他と違う奴”と坂部くんが言った、本当の意味を。
坂部くんは、本当は由梨ちゃんと同じようにあやかしでありながら人間でもあるのだろうか。
「あ、あのさ……へっくしゅん」
だけどそのとき、再び窓から冷たい風が入ってきて、思わずくしゃみをして身震いしてしまう。
「……寒いのか?」
「え? ああ、上着を教室に忘れてきちゃって……」
もう、何でこんな肝心なときにくしゃみが出るのよ。
だけどそのときだった。ふわりと私の身を温もりが包んだ。
一瞬、何が起こったかわからなかった。
さっきまで寒さを堪えていた身体はもう寒くなくて、むしろ温かい。
異様にドキドキと心臓が鳴って、すぐには上手くしゃべることができなかった。
いつの間にか坂部くんは、自分の上着を脱いで私の背に羽織らせてくれていたのだ。
「……えっ、と。あ……」
それでも何か話そうと口を開いても、意味不明な文字列が飛び出すばかりだ。
「寒いんだろ? なら、それ着とけ」
「えと、あ、ありがとう……」
どうしよう。何で私はこんなにドキドキしているのだろう。
見上げた先にあるのは、見慣れているはずの人間の姿の坂部くんのものなのに、何でこんなに緊張しているのだろう。
私につられてなのか、坂部くんの顔もいつもより少し赤い気がする。
あまりにも私が見てたからなのだろう。坂部くんは私からきまりが悪そうに目をそらすと、教室の方へ歩いていってしまった。