「美味しい!」
「それは良かったです」
「でも、本当にいいんですか? 五〇〇円なら全然払えない金額じゃないので大丈夫ですよ」
「いえ、今回はサービスさせてください。そのかわりと言っていいのでしょうか。お願いがあるのです」
「……え?」
「もうお気づきとは思いますが、こちらの店主のギン、いえ、坂部銀士も私も人間ではありません」
大きな猫のような瞳でこちらを見つめて、単刀直入にミーコさんはそう切り出す。
美味しいフルーツタルトによってふわふわとした幸せな世界に浸っていた私は、一気に非現実的な現実に引き戻されるようだった。
先程の坂部くんの様子もそうだし、外で大声を出してしまった私が気づけばカフェの店内にいたこともそうだ。ここに来てからというもの、不思議なことが続いている。
とてもじゃないけど、嘘だと笑い飛ばせない。
でも人間じゃないって、一体どういうことだろう。
「じゃあ、坂部くんは……?」
「それは良かったです」
「でも、本当にいいんですか? 五〇〇円なら全然払えない金額じゃないので大丈夫ですよ」
「いえ、今回はサービスさせてください。そのかわりと言っていいのでしょうか。お願いがあるのです」
「……え?」
「もうお気づきとは思いますが、こちらの店主のギン、いえ、坂部銀士も私も人間ではありません」
大きな猫のような瞳でこちらを見つめて、単刀直入にミーコさんはそう切り出す。
美味しいフルーツタルトによってふわふわとした幸せな世界に浸っていた私は、一気に非現実的な現実に引き戻されるようだった。
先程の坂部くんの様子もそうだし、外で大声を出してしまった私が気づけばカフェの店内にいたこともそうだ。ここに来てからというもの、不思議なことが続いている。
とてもじゃないけど、嘘だと笑い飛ばせない。
でも人間じゃないって、一体どういうことだろう。
「じゃあ、坂部くんは……?」