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それから数日が過ぎた夕方。
金曜日ということから、この日も私は例外なく寄り道カフェでバイトをしていた。
あれから浜崎さんは、どうしただろう?
明美からも何も聞いてないし、やっぱりあのまま吹奏楽部には戻らない決断をしたのだろうか。
つい先ほど開店後からしばらく滞在していたお客さんが出ていったことで、お店の中はがらんとしている。
テーブルの上を布巾で拭きながら、ぼんやり浜崎さんのことを考えていると、レジの方からミーコさんの焦ったような声が聞こえてくる。
「……え? 今からですか? いえ、大丈夫です。三十二名様ですね。お待ちしております」
どうやら電話をしているようだ。
受話器を置いたミーコさんと、目があった。
「綾乃さん! このあと三十二名様、こちらに来られるそうです」
「え、団体さんですか? お店の中、全員入れるでしょうか」
寄り道カフェは、四人掛けの席が四脚。
座席一杯に座っても十六人で、半分しか座れないことになる。
それから数日が過ぎた夕方。
金曜日ということから、この日も私は例外なく寄り道カフェでバイトをしていた。
あれから浜崎さんは、どうしただろう?
明美からも何も聞いてないし、やっぱりあのまま吹奏楽部には戻らない決断をしたのだろうか。
つい先ほど開店後からしばらく滞在していたお客さんが出ていったことで、お店の中はがらんとしている。
テーブルの上を布巾で拭きながら、ぼんやり浜崎さんのことを考えていると、レジの方からミーコさんの焦ったような声が聞こえてくる。
「……え? 今からですか? いえ、大丈夫です。三十二名様ですね。お待ちしております」
どうやら電話をしているようだ。
受話器を置いたミーコさんと、目があった。
「綾乃さん! このあと三十二名様、こちらに来られるそうです」
「え、団体さんですか? お店の中、全員入れるでしょうか」
寄り道カフェは、四人掛けの席が四脚。
座席一杯に座っても十六人で、半分しか座れないことになる。