「対馬さんの大好きなビールも用意しますので、福島さんと一緒に遊びに来て下さいね」

「……考えとく」

先日、20歳になりました。未成年じゃないからお酒も買える。対馬さんの大好きなビールと福島さんの大好きなお菓子を買いだめして置こう。いつの日か、また、三人で笑い合えるように。

対馬さんが会社に戻ると行って立ち上がった時に玄関のチャイムが連打された。

ピンポン、ピンポン、ピンポン。

多分、これは……!

「お疲れっス~!先生の新作ネームを拝見しに来ました!」

「お疲れ様です。今、福島さんの噂をしていた所です」

「え?マジですか?なんで、何で?」

玄関先からテンションが高い福島さん。

「うるさいぞ、福島!お前の担当はカナちゃんじゃないだろ!毎回、毎回、ネームの進行状況見に来やがって!」

「だって、担当してる先生よりも気になるんですもん!奏心先生の方が可愛いし、あのむさくるしい先生よりも面白いし、優しいし……!」

「そろそろ口を慎め、福島……」

対馬さんが福島さんに対して怒っている。本気で怒っている訳ではなく、じゃれているのだけれども……。言い訳している福島さんが必死で可愛らしい。

「所でアシスタントが決まったから、お前の助けはもういらない」

「えー!無理!そんなの無理です!大好きな漫画に私も参加したいのに~」

福島さんに対馬さんがアシスタントの件を伝えると有難くも嬉しい言葉が返って来た。

「どうする、カナちゃん?福島も仲間に入れる?」

対馬さんはクスクスと笑いながら尋ねる。