潤兄の目から涙が零れ落ちた。

「ごめんな……」って、か細い声で謝って。

俺は潤兄に謝って欲しかったんじゃないんだ。真実を知りたいだけなんだ。何から話して良いのか分からずに今日の出来事を話してしまったけれど……。

「違うんだ、謝って欲しい訳じゃない!俺も……真実が知りたかっただけなんだ!茜ちゃんは……、茜ちゃんと潤兄はっ……!!」

俺は立ち上がり、潤兄の目の前で少しだけ大きな声で問いかけた。

「……自分自身でも頭の中で整理が出来なくて、海大にも両親にも話せなかったんだ。

まだ、整理出来てないけれど、……聞いてくれる?」

俺は黙ってうなづいて、再びソファーに座った。いつの間にか、潤兄の涙は止まっていて、口元だけ微笑んだ。

「潤兄が話せる範囲で教えてくれたら、俺も嬉しい」