新学期が始まり、いよいよ、高校生!

ワクワクしながら制服の袖を通し、駅までは自転車で向かう。朝からポカポカして暖かくて、太陽の煌めきが心地好い。

仲の良い友達は一人も同じ高校には進学しなかった。自分一人で高校の門をくぐる事になるから、内心はドキドキしている。

知り合いは今は茜ちゃんしか居ないけれど、直ぐに友達は出来るさ、そう思って高校の門を通り抜けた。

何となくだけど……、見渡す限りでは真面目な生徒ばっかり居るなぁ。俺も気持ちを入れ替えて頑張ろう!!

……張り出されていたクラス分けに従い、教室に入る。

朝のホームルームが始まるまで、クラスメイト達は読書をしたりしていた。俺は本なんて、基本読まないから、人間観察をしていた。 そんな時、後ろの席の男子に肩を叩かれた。

「ねー、ねー、どこ中?俺はすぐ近くの三中。井上 裕貴(いのうえ ひろき)で、皆はヒロって呼んでるよ。宜しくな」

「俺は一中だよ。伊野田 海大(いのだ みひろ)で俺もヒロって呼ばれてる」

「マジか!同じヒロだと分かりにくいな」

お互いに"ヒロ"と呼ばれていたので、お互いに笑ってしまった。話しかけてくれた裕貴は、中学時代はバスケ部のエースだったらしい。エースなのに勉強も出来るって凄い。裕貴とは直ぐに打ち解けた。