それからは担任の先生と両親にも相談し、保健室登校になった。私は厳格な父を持つ、一人っ子で説得するのには時間がかかったが、学校に行かないよりはマシだろうと判断された。

高校2年の5月、保健室登校中に勉強して居た時の事だった。今日はスポーツテストの日で、湯沢先生は校庭に居た。湯沢先生が席を外していた時にガラッと扉が開き、私は髪の毛を引っ張っられ、保健室のベッドに連れて行かれた。


『こっち来なよ!!』
『媚び売って、サイテー』


琴音ちゃんと取り巻きと知らない男子が2名居た。

「えー、近藤ちゃんの友達にしては可愛くないじゃん!」
「顔見なきゃへーきでしょ?」


男子が私のスカートをまくりあげ、両腕は琴音ちゃん達に押さえつけられた。声を出したいのに口も塞がれて出せない。

誰か、誰かー!!

足をバタバタさせたら、またも押さえつけられた。

怖い、怖いよ……。助けて……!!


『湯沢先生、いるー?怪我したー』


あ、誰か来た。話し声が複数人みたいだった。


『ヤバいよ、行こっ!……じゃあね、ミヒロちゃん。お大事にね!』


琴音ちゃん達はバタバタと慌てて、保健室を出て行った。私は震えた指で、まくりあげられたスカートを直し、ボタンを外されたブラウスを直す。

はぁっ、はぁっ……。

息が苦しく、空気が吸えない。私はバタリとベットから床下に崩れ落ちた。大きな音に気付いた誰かが先生を呼んできてくれて、呼吸が落ち着いた。

「広沢、ごめんな。今日はスポーツテストで校庭に行かなきゃ行けなかったから……」

私は過呼吸を起こしていた。一人で帰る事が出来ずに母が迎えに来てくれた。