「……茜ちゃん、茜ちゃん!!」

一年生も終わりに近づいた頃、体育の時間に茜ちゃんが倒れた。

体育館でバスケをしている最中、相手チームでディフェンスをしていた茜ちゃんは、バタリと倒れた。

皆の手足が止まる中、私は急いで一番に駆け寄る。

茜ちゃん、どうしたんだろう?

側に寄って見てみると、まるで呼吸をしていない死人のような真っ青な顔な茜ちゃん。

あまりにも真っ青で衝撃的で、呼吸はちゃんとしてるか気になり、胸に手を当てた。

大丈夫……、心臓は動いてる。

この後、直ぐに体育の先生と一緒に茜ちゃんを保健室に運んだ。

「広沢は体育館に戻って……俺は担任に連絡してくるから……」

「……はい、分かりました」

茜ちゃんをベッドに寝かせて、保健室の先生に急に倒れた事を説明した。

体育の先生から戻れと指示があり、ベッドから離れようとすると……茜ちゃんが私の手首を掴んだ。

「……心優ちゃん、居て欲しい」

「……茜ちゃん?気がついたんだね!!良かったぁ」

茜ちゃんはまだ真っ青な顔だけれど、意識が戻った。

体育の先生は私達のやり取りを見て、苦笑いをしながらも『居てやりなさい』と言った。

私はベッドに腰をかけて座って、茜ちゃんは寝たまま過ごす。

「ほら、飲みな」

「……ココア!!」