『ね、この後、カラオケにでも行かない?』

「……えー、皆、どうするぅ?行っちゃう?」

男の子がカラオケに行かないかと誘うけれど、私は行きたくない、帰りたい。

……そんな気持ちで話が進んでいくのを、ひたすら聞いていただけ。

こんな状況でも、琴音ちゃんは中心に居て、揺らぐ事は無かった。

『嫌だ』と言えない自分と、勝手に決めてしまう琴音ちゃんが……

だんだん嫌いになっていった。

「……次は、誰ー?」

『はーい、俺、俺!!』

本音は、知らない男の子なんかとカラオケになんて行きたくないクセに、誘われたら断れなくて……

結局はノコノコ着いて来てしまった。

カラオケも歌う気がしないし、このカラオケがもしも割り勘ならば……

おこずかいの無駄遣いだとか、つまらない事ばかりが頭の中に巡る。

茜ちゃんは、両脇に男の子が居て身動きが取れないみたいだし……他の子は、他の男の子と騒ぎ立てていた。

私は、ただひたすら、オレンジジュースを啜るしかなくて……暇を持て遊ばしていた。