「夏休みさぁ、海でも行かない?」

「うん……、いいけど」

もうすぐ夏休みの私達は、課外授業の合間を縫っての計画を立てようと必死だった。

夏休みと言えど、一週間に3日位の半日は学校に行って、勉強の時間があるらしく……希望者だけみたいだけれども、ほぼ全員が参加するらしい。

「……私は太っちょだからなぁ、水着着なくていー?」

「えー、大丈夫だって!!気になるなら、タンキニとかあるじゃん?」

「……うーん」

タンキニって何だろう?

よく分からないけれど……体型を隠せる水着なの?あれから、茜ちゃんと琴音ちゃん以外にも仲良しの友達は出来た。

二人と私を含めた六人で、いつも一緒に居た。

私以外は皆、痩せていて羨ましかった。

「じゃあさ、7月の終わり辺りにする?それまでに水着を買いに行こっ」

取り仕切るのは、いつも琴音ちゃんの役目で、私はただ頷くばかり。

まとめてくれる事は有難いけれど、意見が思うように言えないのは寂しい事でもあった。

夏休みの計画は順調に進み、両親に頼み込んで、成績を落とさないのならば海に行っても良いとの許可も得て、水着も買って貰った。

後は、海に行くばかりとなった。

海なんて……小学生以来で、行く日が近付くとワクワク気分が増した。

海に行く前日は、女の子としての身だしなみに追われて時間が過ぎた。

学校帰りに友達と買い物に寄ったりはしたけれど……土日も遊んだ事は無いし、勢揃いで出かけるのは、海が初めてだった。

私はあんまり泳げないから、浮き輪の用意も完璧。

花柄にラメ入りのキラキラとした浮き輪も、両親にオネダリして購入。

その他、日焼け止めなども母が用意してくれた。

浮き輪は膨らませて行くのか、アッチで膨らますのか、真剣に悩んでみたり……

砂浜が熱いだろうから、ビーチサンダルは別に持って行こうかな?とか……

眠りにつくまで、海の事でいっぱいだった。