琴音ちゃんは見た感じが活発で明るそうな女の子。

新しい学校、高校生になった自分、新しい友達……に胸がワクワクして来た。

「静かに!!入学したてだからと浮かれていては、受験には勝てないぞ!!今日から、授業が始まるから、気を引き締めて。

オリエンテーションでも話はあったが、校舎内には携帯等の通信機、及びゲーム機などは持ち込み禁止だ。見つけた場合は一週間の没収になる。いいな?」

席替えでザワザワと騒がしかった教室は、担任の先生の渇のある話で、静まり返った。

そうだった……私は、数々の有名大学に合格多数の進学校に入学したんだった。

浮き足立って忘れてしまいそうだったよ。今日からは授業が始まる。

ホームルームが終わると一時間目は数学だった。

とりあえずは中学の復習からだったが、容赦なく質問がどんどん飛んでくる。

生徒を全員指した所で、授業は終わった……。

毎日がこんな繰り返しで、さすがに進学校は厳しいなと感じてはいたが……家に帰ってからの予習復習も苦にならなかった。

何故なら、高校生になったお祝いに両親から与えられた携帯で茜ちゃんや琴音ちゃんとメールしたり、電話しながら勉強してたから。

テスト前には、寝る前に問題出しっこメールとかしてたし……ね。

けれども……幸せは長くは続かなくて、携帯があるが故に、私が孤独になる日は近付いて来ていたんだ。