カレーを頬ばるヒロ君も、笑い顔も……

全部、全部、私だけのモノだったら良いのに―――……

「ごちそうさま……」

ご飯の時間は、気を使ってくれているのか、色々とヒロ君が声をかけてくれる。

今日の私は何だかボンヤリしていて、まともに聞けなかった。

そんなだからか、話が途切れる事が多く、せっかく作ってくれたカレーも味わえなかった。

今日はお別れの時間が近づくのが怖くて……、

目を合わせずに顔を伏せている時間の方が長かったかもしれない。

ヒロ君が来てくれた時は、明日から会わなくなる日々が不安じゃなかったけれど、何故か今は、不安で仕方ない。

食べ終わった後は、いつも二人で後片付け。

片付けをした後は、ゆっくり食後のティータイム。

紅茶を淹れる為のお湯を沸かし、茶葉をポットに入れて……お揃いのカップも暖めて……。

いつもなら、会話をするのに私達は無言のままだ。

ヒロ君も私の様子が変だと思っているのか、話をかけてこない。

今日のティータイムのお供に、お取り寄せしたマドレーヌがあったんだよね。

昨日届いて、対馬さんと福島さんと三人で食べたから、確か……、あと二つあったハズ。

リビングの棚に置いたんだった。

あ、手紙が上にある。

そう言えば見てなかったなぁ……。