何を作ってくれるのか、凄く楽しみだし、 ヒロ君が本当に来てくれるなんて夢みたいで……

椅子に座っても、何だか落ち着かない。

それから、ヒロ君が見える位置に座らせてくれたんだもんっ!!

キッチンとテーブルの間には、カウンターがある。

カウンター越しに見えるヒロ君の後ろ姿は、華奢に見えるけれども……

女の子とは違って、背中は骨張っていて、肩幅もそれなりにある。

細いけれども、筋肉質なんだろうか?

髪の毛もサラサラだなぁ……、トリートメントとかしてるのかなぁ?

漫画を描いてはいるけれど、想像(妄想)と対馬さんに頼んでいる男の子向けのファッション誌からお勉強してるだけで……

同年代の男の子とこうして接する機会は無かった。こうしてヒロ君と出会えた事が、運命だったら良いなぁ。

しかし、“運命”とは必ずしも良い縁だけではない……とテレビで有名な占い師が言っていた。

それもそうだよね。

良い縁も悪い縁も、重なり合って、今がある。

沢山の出来事が重なって、運命が生まれるんじゃないだろうか……?

だから、今までの私の“過去”も運命だから…逃れられなかったのだろう―――……

「カナミちゃん?頭抱えてどうしたの?」

「……うひゃあっ!?」

「……っぷ!!カナミちゃんて、時々、変な声を出すよね。ご飯出来たよーっ」