ついつい力を込めて返事をしてしまったら、ヒロ君はクスクスと笑っている。

「冗談、冗談!!分かってるよ。必死に否定して可愛いなぁ……あはは」

否定するのが分かっていて…か、からかわれたのかもしれない…!!

ヒロ君は笑ってるもん。

「……あと掃除もかな?」

「……掃除も特には大丈夫なんですけど?」

「……それじゃぁ、やる事が無いじゃん」

だって、お掃除も頼むなんて図々しいかな…なんて思うし、仕事場に入られても困るから…。

本当の目的は、仕事をして貰うよりも…会いたいだけだから。

この本音は……、口に出しては言えないけどね。

ただ、これだけは伝えなきゃいけないと思う。

今から伝える事も本音の一部だからね―――……

「……あ、あの、いつも一人でご飯食べてるから、一緒に食べてくれるだけ…で嬉しいんだけど…」

例えば、ご飯がコンビニ弁当だろうと手作りだろうと…毎日のように一人は寂しいよ。

閉めきり間近の時は、対馬さんや福島さんが一緒に居るけれど……

ご飯を食べてると言うよりも、忙しいから流し込んでるようなモノだし……、ね。

「……実は俺も一人で食べてるから、嬉しかったりして?」

ヒロ君は少しだけ俯いてから、ニコッと笑いかけてくれた。

笑顔に影があるのは何故だろう?

踏み込んじゃいけないんだけれども……

会った時に話していた“ヒロミさん”も関係しているのかな?