「カナ、ミちゃん?ごめんね、泣かせるつもりはなかったんだ……。ただ、ちょっと気になってね……せっかくまた会えたんだからさ、話をしない?」

「……はい」

ヒロ君にも目尻に貯まっていた涙が見えてしまったみたいで……

またもや、謝らせてしまった。

私はヒロ君に謝らせてばかりで最低だ。

気になってくれた事は嬉しい事だったのに……、何だろう、ムキになって否定する事ばかり考えていた。

私は我が儘なんて言わない、控えめな女なんだとか、対馬さんとの仲を誤解されたくないとか……

自分の事ばかり考えていた。

上手く伝えられないクセに人を責めるような態度ばかりな私は……

昔から成長していないのかもしれないなぁ。

「……まずは何から話そうか?……えと、本当に……!俺が家政婦になってもいいの?」

「……はい」

「……料理出来なくて下手くそでも?」

「……はい」

「……というか、とりあえず座って話そう?嫌?」

対馬さんが帰ってから、ずっと気まずくて…ヒロ君から少し離れた場所で、後片付けをしている振りをしながら話をしていたけれど、 ヒロ君に言われたら座るしかないよね。

……というより、やっと座るチャンスを貰えたと言うか……。

ドキドキと胸を高鳴らせながら、椅子を引き、斜め前に座る。

「……それでさ、俺はご飯作りと洗濯と…」

「……せ、洗濯はだ、大丈夫ですからっ!!」