突然の事に手足が強張って、言葉も途切れる。

男の子は、私の頭の天辺から、つま先まで鋭い視線で流し見た後に、こう言った。

「ふぅん……あ、ちょっとつき合ってくれない?」

「……え、ちょ、待っ……」

―――いつもなら、誰かの肌や体に接触しただけで、緊張して脂汗が出たり、血の気が退くのに……そうなる前に、手首を引っ張られてた。

「ど、どこ行く、の?」

「大丈夫だって、捕って食ったりしないから。買い物付き合ってくれない?飯、奢るからさっ」

「は、はぁ……」

振りほどこうにも勇気すら出なくて、捕まれた手首が痛い。

ドクン……ドクン……。

男の子が無理矢理に連れて行こうとするから、私の頭の中はパニック寸前。

『こっち来なよ!!』
『媚び売って、サイテー』


あ、あ、あ、


思い出したくない記憶が蘇る―――……