「……対馬さんっ!!ごめんなさい、えっと……」
私は思わず、対馬さんに駆け寄り、背中のシャツを引っ張った。
「……シワになってしまいますが」
「あ、あ、ご、ごめんなさい!!」
対馬さんは驚いた様子で、クルリと後ろを振り向く。
そうだよね、お仕事なのに……シワになっちゃうよね。
直ぐ様、とっさに掴んでいたシャツを離した。
「あはは、大丈夫だよ、冗談だからね。カナちゃんは何も気にしないで。俺は……うん、大丈夫だから。とにかく、本当に仕事に戻るから……後は宜しく」
ニコッと笑顔を見せて、Vサインをした対馬さん。
いつもの明るい対馬さんに戻ったような気がして、安心した。
本当にごめんなさい、対馬さん……。
「対馬さん!!面接有難うございました!!」
対馬さんが居なくなってしまう事を察知して、ヒロ君が挨拶をする。
そしたら……帰り際に対馬さんが残した言葉が驚きの一言だったし!!
「……どういたしまして!!ちなみにカナちゃんは、社長令嬢の我が儘OLだからね、気をつけて……」
「社長令嬢……の我が儘OL!?」
対馬さんの発言に驚きを隠せない私は、思わず声を張り上げてしまった。
漫画家を隠す為のつじつまなんだろうけど…社長令嬢で、我が儘は余計だわ。
「でしょ、カナちゃんは!!」
私に向けて、軽いウィンクをする。
どうやら、対馬さんの中で、私の偽り設定は出来上がっているらしい。
参ったなぁ……。
社長令嬢の我が儘OLだなんて……何か聞かれたらどうすれば良い?
何のお仕事にすれば良い?
頭の中にグルグルと駆け巡るけれど……ヒロ君は黙っている。
対馬さんが去り際に余計な一言を残し、ヒロ君がどんな反応をするのかな……とドキドキしていたけれども……。
考えてみれば……いや、考えてみなくても、二人きりだと簡単に判断出来る。
話さなきゃいけない事は沢山あるハズなのに……目を合わす事もままならないまま、静かな時間が過ぎて行く。
とりあえず、一言でも話しかけようとするけれど、胸の内が落ち着かなくて、頬に熱を持つばかりだった―――……
私は思わず、対馬さんに駆け寄り、背中のシャツを引っ張った。
「……シワになってしまいますが」
「あ、あ、ご、ごめんなさい!!」
対馬さんは驚いた様子で、クルリと後ろを振り向く。
そうだよね、お仕事なのに……シワになっちゃうよね。
直ぐ様、とっさに掴んでいたシャツを離した。
「あはは、大丈夫だよ、冗談だからね。カナちゃんは何も気にしないで。俺は……うん、大丈夫だから。とにかく、本当に仕事に戻るから……後は宜しく」
ニコッと笑顔を見せて、Vサインをした対馬さん。
いつもの明るい対馬さんに戻ったような気がして、安心した。
本当にごめんなさい、対馬さん……。
「対馬さん!!面接有難うございました!!」
対馬さんが居なくなってしまう事を察知して、ヒロ君が挨拶をする。
そしたら……帰り際に対馬さんが残した言葉が驚きの一言だったし!!
「……どういたしまして!!ちなみにカナちゃんは、社長令嬢の我が儘OLだからね、気をつけて……」
「社長令嬢……の我が儘OL!?」
対馬さんの発言に驚きを隠せない私は、思わず声を張り上げてしまった。
漫画家を隠す為のつじつまなんだろうけど…社長令嬢で、我が儘は余計だわ。
「でしょ、カナちゃんは!!」
私に向けて、軽いウィンクをする。
どうやら、対馬さんの中で、私の偽り設定は出来上がっているらしい。
参ったなぁ……。
社長令嬢の我が儘OLだなんて……何か聞かれたらどうすれば良い?
何のお仕事にすれば良い?
頭の中にグルグルと駆け巡るけれど……ヒロ君は黙っている。
対馬さんが去り際に余計な一言を残し、ヒロ君がどんな反応をするのかな……とドキドキしていたけれども……。
考えてみれば……いや、考えてみなくても、二人きりだと簡単に判断出来る。
話さなきゃいけない事は沢山あるハズなのに……目を合わす事もままならないまま、静かな時間が過ぎて行く。
とりあえず、一言でも話しかけようとするけれど、胸の内が落ち着かなくて、頬に熱を持つばかりだった―――……