「君には家政婦をやってもらいたい」

「家政婦、ですか……?」

「そうだよ」

駄目ダメな私の変わりに、対馬さんが面接らしきものを始める。

笑みも浮かべずに淡々と話を続ける対馬さん。

いつも笑顔の対馬さんだから、そんなの態度は初めてで、私は驚きを隠せずにただひたすら……黙っていた。

「夕方6時から夜8時までの二時間、時給二千円でどうかな?……悪い話じゃないでしょ?」

ん?時給二千円!?

……高額で驚いたけれど、ヒロ君の為なら、まぁ、いいか。

「……お話は嬉しいのですが、具体的にはどのような内容でしょうか?」

時給が二千円だろうと……冷静に話を聞き、質問するヒロ君。

こないだ会った時の無邪気な感じは無くて……別人のように感じた。

「……んー?具体的にはね、ご飯作りとか掃除洗濯?あ、洗濯はまずいか……」

せ、洗濯?

洗濯なんて嫌だー!!

今頃気付いたけれど、家政婦のバイトって、自分の生態というか……、生活の全てを見られてしまうのよね…。

軽はずみで『家政婦が居たら楽だな〜』的な考えで、口に出したのだけれど……実際は問題が山積みかもしれない。

「せ、洗濯は自分でやり、ますからっ!!」

自分の下着を見られるよりも、ヒロ君に洗わせるだなんて……、そっちの方が恥ずかしくて、顔を真っ赤にしながらも抵抗した。

「……か、カナちゃん?」

対馬さんが驚いたように私を見てるし、ヒロ君はクスクスと声を殺して苦笑いしてるし…

私、変な事を言ったかなぁ?