「誰だって、嫌だよな。知らない人の好きな人へのプレゼント選びなんて……ごめん、本当にごめんなさい!!」

ヒロ君が深々と頭を下げて、私に謝る。

違う、違うの。

そうじゃないのに言葉が出ない。

ヒロ君は、私が唯一、初対面で打ち解けられた人だから、寂しいの。

もっと知りたかったの。

知りたかった、だけなのに……いつも、私から人が離れて行くね。

そういう役回りなんだろうな、私は……。

繋ぎ止める言葉も出ずに、勇気も無い。

ただ泣いて、ひたすら困らすだけの子供と同じ。

「……ご、めん……本当にごめん!!」

「……え?」

どうしたら良いのか分からずに立ち尽くしてしまった私を覆い隠すように、ヒロくんの腕が私を包む。

男の子にしては、華奢に見えるヒロ君の胸に頭をフワリと押さえられて、私は身動きが出来なかった。

「泣くほど……嫌だったんだよな。自分勝手な行動を無理強いして悪かった……」

ヒロ君は頭を優しく撫でてくれて、落ち着くまで抱き締めてくれていた。

何だか心地好くて、ジュエリーショップの前で公衆の面前だと言うことも、関係性も、彼女の事も忘れてしまう位だった。