翌日、ヒロ君はエビグラタンを作ってくれた。ホワイトソースから手作りしてくれて、とても美味しかった。

私もヒロ君みたいに料理上手になりたいな。普段は原稿に追われて、朝昼は簡単な物で済ましたり、修羅場の時は対馬さんと福島さんの差し入れを食べたりしているから、料理はほとんどしないに等しい。

「今日もとても美味しかったです。エビグラタン大好きだから嬉しいです」

「昨日から海老づくしでごめん。簡単に作れるホワイトソースを試したかったから、エビグラタンにしちゃったんだ」

ヒロ君は来る度に、電子レンジで温めて食べればOKの翌日の朝ごはんまで用意してくれている。私はパソコンでメールを確認したりしながら、ヒロ君が作業している姿をチラ見する。

キッチンに立っている姿も様になっていて、素敵……!

「カナミちゃん、明日の朝は鮭を焼いて、お味噌汁も用意してあります。冷めたら冷蔵庫にしまってね。残りの鮭は小分けにして冷凍してあるよ」

今日はスーパーで鮭の切り身のパックがお買い得だったので、多めに購入して冷凍してくれた。ヒロ君は私よりもテキパキとして家事が早い。お手伝いさんをお願いして良かった!

「もう時間だね。二時間ってあっという間…」

気付けばもう契約時間の20時が間近に迫っていた。