旧部室棟の裏口から外に出る。ここは塀と建物に囲まれて、人目が届かない。飛び
立つには、うってつけの場所だ。
「準備オーケー?」とシーちゃん。
「目的地は覚えたか」とアッキー。
「うん。頭に入ってる」と陸くん。
「じゃあ、出発する」と私。だんだん緊張してきた。胃の辺りがキリキリする。
「いよいよだね」
「うん」
「緊張してる?」
「うん」
「無理しないでね」
「うん」
「恐くなったら、帰って来て良いんだよ」
「うん」
「なんか、して欲しい事は?」
「あの、緊張で震えが止まらないから、一回ハグしてくれない」
「分かった」
シーちゃんが、力強く私をハグする。
「美幸なら出来る。美幸なら出来る」シーちゃんが耳元で暗示の言葉を繰り返す。
それで漸く私の震えも収まった。
立つには、うってつけの場所だ。
「準備オーケー?」とシーちゃん。
「目的地は覚えたか」とアッキー。
「うん。頭に入ってる」と陸くん。
「じゃあ、出発する」と私。だんだん緊張してきた。胃の辺りがキリキリする。
「いよいよだね」
「うん」
「緊張してる?」
「うん」
「無理しないでね」
「うん」
「恐くなったら、帰って来て良いんだよ」
「うん」
「なんか、して欲しい事は?」
「あの、緊張で震えが止まらないから、一回ハグしてくれない」
「分かった」
シーちゃんが、力強く私をハグする。
「美幸なら出来る。美幸なら出来る」シーちゃんが耳元で暗示の言葉を繰り返す。
それで漸く私の震えも収まった。