シーちゃんとアッキーの微笑ましい掛け合いを、温かな眼差しで見守る。
「あなた達、仲良いね」自然と言葉が口をつく。
 それに対し、シーちゃんの「仲良くない!」とアッキーの「仲良いだろ!」が衝突
して、可笑しな風にハモった。
 睨みあう二人。

 仲裁するように
「アッキー、何でも安請け合いするんじゃなく、もう少しコントロールしてみたら」
 とお節介を焼く。
 すると、それまで睨みあっていた二人が、私に視線を向ける。
「美幸。それ、あなたの事だから。美幸こそ、色んな部の助っ人するのセーブしない
と、自分の時間、なくなるよ」
 あらー。ブーメランだ。ブーメランが返って来た。
 自分の焼いたお節介の火の粉が、自分に降りかかって来た。
「ハハハ」と、笑ってゴマかした。

 まぁ、これが私の普段の日常。
 大学受験まで、一年の猶予を与えられた高校2年生。
 それも夏休み前の、なんとも気楽な毎日を、ここぞとばかり満喫している。
 そんな毎日が、これからもずーっと続くと思っていた。
 今日のこの日を迎えるまでは。