「陸くんの心配は尤もだと思う。だから、超能力救助隊は正体を隠して活動するの」
「正体を隠す?」とアッキー。
「そう。覆面とかで顔を隠して。そうすれば、エスパーが誰かは、分からない」
「確かに」とシーちゃん。
「それって、何か、格好よくネ」アッキーが小躍りして喜ぶ。

「待って待って」と陸くんが、その場の高揚を鎮めにかかる。
「それって、超能力を公表する点では、変わってないよね。僕は超能力の公表自体に
反対」

「陸くんは、超能力が悪用されるから公表しないほうが良い。そう考えてるのよね」
うん。陸くんが頷く。
「超能力の悪用を心配するなら、却って超能力の存在は公表した方が良いと思うの」
 ? と陸くんが疑問の顔を作る。
「超能力が秘密のままなら、それで悪事を行っても、原因は分からず仕舞いになって
しまう。でも、超能力の存在が公になっていたら、原因は直ぐに分かる。エスパーは
私一人なんだから、追及の方向も限られる。秘密じゃないから、悪用する価値がなく
なる」
「大っぴらにした方が、安全てこと?」とシーちゃん。
「私は、そう思うんだけど。どうかな?」