放課後になった。
 シーちゃんとアッキーが待つAI部の部室に、陸くんと共に向かっている。
 HRの後、帰り支度をしている陸くんに声をかけて引き留めたのだ。
 最初は、「僕に、なんの用ですか」と不機嫌そうに対応された。
「話がしたいの」「帰りますから」の応酬が続いたあと、帰ろうとする陸くんの手を
取り、「お願い、一緒に来て」と懇願した。
 それで、私の誠意が通じたのか、「仕方ない」と陸くんが折れてくれた。

 二人してAI部の部室に入る。
「よう」アッキーが気のない声で挨拶をする。シーちゃんは黙ったまま会釈する。
 この二人は、陸くんにあまり良い印象を持ってない。
 その雰囲気を感じ取ったのか、陸くんも難しい顔のままで立っている。
「とにかく座って話しましょう」
 私の言葉に促され、陸くんが腰を降ろして車座になる。

「早速だけど」と話しの口火を切る。
「私、自分の超能力を人助けのために役立てようと思う」
 ふんふん。シーちゃんとアッキーが激しく同意。
 陸くんは黙って私を見つめている。
「それでね、私、超能力を活かした救助隊を作りたいの。この四人で」