「それには……。見えるようにすること、……かな」
「見えるように……する?」
「世の中には、良い心の人も悪い心の人もいる。けれど、多くは善良な人々だ。その
一人一人の力は小さくても、集まれば、悪い行いを止める力になる。そのためにも、
世界は見通しが良いほうがいい」
「悪政や悪事が起きないよう、お互いに見張れば良いのね」
「そうだね。そして、世の中には、自分では気がつかずに、地球を汚したり、他人を
傷つけたりしている人がいる。そんな人たちが、真実を見知る事が出来れば、世界を
より良い方に変えていけると思う」

 お父さんの言葉は、私の胸に響いた。
 力を持つ者は、周囲に良い影響を与えるように振舞わねばならない。
 やはり、私は自分の超能力を、他の人の役に立てたい。役立てるべきだと思う。
 でも、陸くんは超能力の悪用を懸念して公表を望んでいない。その事に関しては、
私にあるアイデアが閃いた。
 この方法なら、陸くんもきっと……。