拙いな。このままだと、シーちゃん達が陸くんと険悪になる。私の力は、陸くんの
協力無しには、使えないし……。
「二人とも。落ち着こう。陸くんだって、急にこんな事になって、戸惑ってるのよ。
不安なのよ。それが、あんな発言に繋がってるんだと思う。それに、もし、陸くんが
森林公園に来てくれなかったら、アッキーは大変な事になってたんだよ」
 うぐっ。
 アッキーが言葉に詰まる。

「それにね。陸くんて、意外に優しい所があるんだ。前に、松永先生の数学授業で、
足利さんが立たされそうになった時、助けてあげてた。森林公園でも、私を気遣って
くれてたし」
「うん。私も、足利さんのときには、『陸くん、やるね』って思ったのを覚えてる」
 シーちゃんが同意してくれた。少し、ホッとする。
「ふーん。そうか? だけど、好きになれないな、アイツ。それに、俺は、アイツが
何か隠し事してるような気がし……グホッ!」
 シーちゃんの肘鉄で、アッキーの台詞が潰れた。
「な、何すん……?」
「アホっ! 鈍感! 少しは考えなさい」
「??????」

 アッキーと小競り合いしたあと、シーちゃんが私の方を向いて
「陸くんとの事は、美幸に任せるよ」
 と言ってくれた。
 私は、それに気を良くして
「うん。私、自分が何をしたいのか、しっかり考えてみる。そして、陸くんに丁寧に
説明する。陸くんも、きっと分かってくれる筈だよ」
 と答えた。