「天野さんも、相当のお人好しだね。アッキーの妄想に振り回されているのに文句も
言わない。そんなにアッキーの機嫌を買うのが大事なの? もしかして、アッキーと
つきあってるの、天野さんは?」
 グサグサと胸に突き刺さる辛辣な物言い。
 アッキーと付き合ってるのはシーちゃんだよ。その言葉をぐっと飲み込む。
「アッキーとは仲が良いだけ。付き合ってるわけじゃない。だけど、私が、お人よし
なのは本当。だけど、アッキーの機嫌買いで、超能力実験に協力してる訳じゃない。
私は、あの時、何が起きたのかを知りたいの」
 と偽らざる思いを口にする。
「……」
「それにね。本当のところを言えば、自分がエスパーだったら、凄いなって思うの。
だから、今日の実験も、ワクワク気分なの」
「凄くなんかないでしょ。エスパーだからって、メリットなんか何もない」
「でも、他の人が持っていない才能を持ってるなんて、良い事じゃない?」
「まともな能力ならね……」