「これで満足したかい?」
 顔の水を拭っている陸くんが、ヤレヤレといった体でアッキーの顔を見やる。
 はぁーっorz。 大きなため息と共にアッキーが肩を落とす。
「僕も、天野さんもエスパーじゃない。水が逆流して見えたのは、水鉄砲が壊れてる
からじゃないの?」
 陸くんのその言葉に、アッキーが不承不承うなずく。
「じゃぁ、もう帰っていい?」
「ああ、すまなかった。呼び出して……」とアッキーが頭を下げる。
「御免なさい。急に呼び出した上に、ずぶ濡れにしちゃって」と私も頭を下げる。
「もう、いいよ。それじゃぁね」と、陸くんが引き戸に手をかける。

「待って!」
 その時、声を発したのはシーちゃんだった。
 六つの目がシーちゃんに注がれる。
 シーちゃん、厳かに咳払いし
「もう一つ可能性があります」
 と宣言した。
「どんな?」とアッキー。
 それに対し、シーちゃんが自信たっぷりにこう答えた。
「昨日の時も、今度の実験でも。不思議な現象が起きた時は、美幸と陸くんが一緒に
いた。きっと、美幸と陸くんが一緒の時だけ、超能力が発動するんだ」