「いや。イタズラじゃない。本とに真面目な実験。でも、失敗だったか。やっぱり、
美幸はエスパーじゃなかったかぁ。確実だと思ったんだけどなぁ」
「だから、私じゃないって言ってるじゃない」
「うーむ。だとすると、誰なんだろ?」
 アッキーが腕を組んで考え込む。

「アッキーじゃないの!?」とシーちゃんが素っ頓狂な声を上げる。
「へっ?」
「だから、エスパーはあんたじゃないのかって、言ってるの」
「俺? 俺がエスパーな訳ないだろ。だって、超能力なんて使えねぇもん」
「証拠は?」
「えっ?」
「アッキー、私達には水かける実験してるのに、自分は何もしてないじゃないのよ。
ちょっと、その水鉄砲貸しなさいよ」

 シーちゃんが水鉄砲を奪おうとする、そうはさせじとアッキーが抵抗する。
 シーちゃんがアッキーの腕を捩じ上げる。アッキー、女の子相手で本気を出せない
のか防戦一方。遂に水鉄砲を奪われた。
「ぬっふっふっふ」
 可笑しな顔でシーちゃんが笑う。
 そのまま、水鉄砲をアッキーに向け、引き金を引く。
 チャーっと水が吹き出すが、全く見当違いの方向に飛んだ。
 この水鉄砲、改造してあるんだっけ。
 シーちゃんが、水鉄砲を手にアッキーを追いかけまわす。
 シーちゃんが引き金を引くたびに、部屋の中に飛沫が飛ぶ。
 きゃっ。私にもかかったよ。やだなぁ。
 本人たちは真剣なのだろうが、私にはじゃれ遊んでいるようにしか見えない。