「じゃあ、詩織を使って説明するから、良く見てて」
　てか、水鉄砲を使って水を吹きかけるだけでしょ、説明なんているの？
　私の疑問を余所に、アッキーが水鉄砲に水を充填し、銃を片手に身構える。
　ところが、案に反して、アッキーが銃口を向けた先はシーちゃんだった。
「な、何よ？　私を撃つの？」と身構えるシーちゃん。
「撃たねえよ。説明するだけ」と言いながら、アッキーはシーちゃんを狙う。
「ホントに撃たないでよね」とシーちゃんが身を竦める。
「それじゃぁ……」とアッキーがシーちゃんに向かって説明を始める……。
　と、次の瞬間、水鉄砲の先端から水が飛び出し、私の顔に水がかかった。
　キャッ！
　思わず目をつぶり、悲鳴を上げる。

「嗚呼、駄目か？　失敗だぁ」と嘆くアッキーの声。
「何なのよ、全く」顔にかかった飛沫をハンカチでふきながら、アッキーを睨む。
「いや、不意打ちかけたら、超能力が発動すると思ったんだけど、不発かぁ」
「ええーっ！？　じゃぁ、今のわざと？」
「ああ、斜めに水がでるように、改造した」と水鉄砲の先端を私に見せる。
「ごめんね。美幸」
　と言いながら、シーちゃんが私にかかった水滴をタオルで吸い取っていく。
「ひょっとして、シーちゃんもグル？」
「ごめんね。私も美幸がエスパーなのかと思って……」
「ヒドイー！！」とシーちゃんに向かって鼻にシワを作る。
「でも、私も昨日やられたんだ、アッキーに」
「じゃあ、一番悪いのはアッキー。もう、こんな悪戯ばっかりして」
　今度は、アッキーに向かって唇を尖らせる。