「実験?」
 そう。と言って、アッキーが鞄の中を探りはじめる。そういえば、お弁当を食べる
だけなのに、わざわざ鞄を持って来たのを不思議に思ってたんだ。
 アッキーが鞄から取り出したのは、水鉄砲と雨合羽だった。
「これから、この水鉄砲を使って美幸を撃つ。勿論、予告や合図は無し。そしたら、
ビックリした拍子に超能力が発動するんじゃないかな」
 うぇー。昨日、私がお風呂の中でやった事と大して変わらない。こんなで、実験に
なるのかな?
「この雨合羽は、まあ、失敗したときの用心のためだな」
「失敗したときというか、ほぼ失敗すると思う」とシーちゃんが冷たく言い放つ。
「それでも、何か分かるかもしれないだろ。とにかくやってみよう」

 ということで、私は無理矢理に雨合羽を着せられた。
「で、何なの? これから鬼ごっこ?」
「いや、座っていてくれれば良いよ」と私に着席するように促す。
 私が椅子に腰を落とすと、アッキーが右斜め前に座る。
 シーちゃんが私の右側に座る。