朝からシーちゃんに説教をされた。
 おまけに、明日からは、一緒の時間に登校する約束もさせられた。
 まあ、シーちゃんくらい、私のことを想ってくれてる人も他にいない。
 彼女の言う事を聞いておくことにしよう。
 実は、一人で登校するのは寂しくはあったんだ。
 シーちゃん、何でもお見通しだな。と感心する。

 *****

 そんなこんなで授業が始まった。
 朝一番から数学の授業。しかも、数学の松永先生は捻くれてて意地悪なんだよな。
 質問に答えられなかったり、演習問題が解けなかったりすると立たされる。幸い、
私はそんな目にあった事はないけれど、クラスの半分以上が立たされて、黒板が見え
なくなることも幾度かあった。
 ピリピリした雰囲気の中で授業が始まる。
「じゃぁ、今日は演習問題解くぞ。先ずは演習の1」
 松永先生が、黒板に問題を書き写す。
「いいか。こういう問題の場合は、整数を分類するんだ。3で割って余り0の整数、
3で割って余り1の整数、3で割って余り2の整数。全て整数はこのどれかに属する
事になる。二グループに属する整数はないし、どれにも属さない整数も存在しない」

 松永先生が達筆な象形文字で黒板に数式を書き連ねて行く。松永先生、字が下手で
教え方も雑だから、授業聞いてるだけじゃ全然分からない。よっぽど予習してるか、
塾で勉強してないと理解できません。