どれほど長い間眠っていたのだろう。
 私は、AI部の部室で目を覚ました。
 体の節々が痛い。凄い疲労感だ。
 それに、酷くお腹が空いた感覚。今朝は、ちゃんと食事をしてきた筈なのに。

 そんなに長く寝ていたのかな、スマホを取り出し時間を確認する。
 おやっ? 今、9時半だ。変だな。私が、ここに来たのは10時頃だったのに?
 てか、そもそも、私は何のために此処に来たんだっけ?
 誰かに会いに来たような……。
 AI部なんだから、アッキー? それとも、シーちゃん?
 いや、そのどちらでもない気がする。じゃぁ誰なんだろう?

 あれっ?
 その誰かの事を考えていたら、急に涙があふれてきた。
 何なんだ、これは。何なんだ、この気持ちは?
 寂しくて、切なくて、胸が苦しくなる。
 私、その誰かと、この部屋にいた筈なのに。その事を思い出せない。
 思い出そうとすると、胸が苦しくなる。

 ここに居るのが、辛くなってきた。
 私は名残惜しさを胸に点しながら、AI部の部室を後にする。
 学校から外に出ても、人の姿は見られなかった。車の通りもない。
 町全体から、生活の音が消えている。
 それもこれも、みんなあの凶星のせいだ。
 あの星さえ来なければ、私達は……。
 空の彼方を見上げながら、我が家へと急ぐ。