でも、相互検証もいつか破られる日が来る。
 それに、夏休みが終われば、ソラシドレスキューの活動も難しくなる。
 もう潮時なんじゃないのか、皆の記憶を消し、ソラシドレスキューも解散した方が
良いんじゃないのか。
 そう思いながら、僕はソラシドレスキューの活動を続けていた。
 それは……、君と、君達と一緒にいるのが……楽しかったからだ。
 僕は、ソラシドレスキューを続けるべきか止めるべきか、迷い続けていた。

 そんな中で、偽救援事件が起きた。
 あの時は、首尾良くヘリプレーンから逃げ遂せたけれど、次はどんな卑劣な手段で
攻撃してくるかも分からない。君たちが、危険な目に会うかもしれない。
 もう、止そう。これで最後にしよう。皆の記憶を消して、僕も姿を隠そう。
 君たちと別れるのは、悲しいことだけど。そう、心に決めた。

 でも、心の奥に迷いがあったのかもしれない。その心の揺らぎが災いして、偽救援
事件から帰還する途中、超能力が急激に不安定になり、僕も前後不覚に陥った。
 空中飛行もままならなくなり、運動公園の貯水塔の中に墜落した。
 何とか、無傷でいられたけど、大事な『お守り』を無くしてしまった。