翌日、僕は戦々恐々として登校した。でも、僕が超能力について追及を受ける事は
なかった。
 どうやら君達は、美幸さんがエスパーだと疑っているらしい。
 だから、僕はその勘違いに便乗する事にした。
 エスパーでない美幸さんを幾ら追及しても、答えは出ない。そのうちに、超能力の
事も有耶無耶なるだろう。あとは、頃合いを見計らって、皆の記憶を消せば良い。
 そう考えていた。

 だけど、森林公園の一件で、アッキーを助けるために、再び超能力を使った。
 その結果、僕は美幸さんがエスパーだという嘘を、つき通さねばならなくなった。
 しかも、美幸さんは超能力を使った救助隊を作りたいという。
 僕は、超能力の存在を公にするのは反対だった。
 だけど、美幸さんは「超能力の存在は、公にした方が安全」と言う。
 意外な発想に、最初は驚いたけど、確かにそうかもしれない。
 今は、僕の先祖が不幸な目に遭った時とは、時代が違う。
 情報を隠さずに、公開する事の方が、身を守る事になるかもしれない。
 それに、僕だって超能力を人助けに使う自体を、否定しているわけじゃない。
 僕の心は揺れた。

 でも、決定的だったのは、美幸さんの綺麗な心だ。
 誰かの役に立ちたい。困っている人を救いたい。
 そんな、君の純粋な心に触れ、僕もソラシドレスキュー参加を決めたんだ。

 *****

 ええええっ!
 いま、陸くん何気に凄いこと言わなった?
 私の純粋な心に触れた、って。
 ひょっとして、陸くん、テレパシーかなんかで私の心を読んでたの?
 だとしたら、私の陸くんに対する気持ちも……。

 わぁああああー。
 どうしよう、どうしよう。急に顔が火照って来た。
 陸くんの目をまともに見られない……。

 でも、そんな私の乙女心に気付かぬのか、陸くんは淡々と告白を続けていく。