「混乱させてしまったね。落ち着いて話そう。トリフネの打ち上げまで、まだ時間が
ある」
陸くんに促されて、部室備え付けのソファーに腰を下ろす。
そして、私は陸くんの長い長い告白を聞くことになる。
*****
僕の家系は、代々、超能力者が生まれる家系なんだ。
その力は、神通力とか妖術と呼ばれて恐れられ、時の権力者によって利用された。
反乱の首謀者を遥か遠方から射抜き、敵対する者を原因不明で亡き者にする。
家族を人質にされ、心ならずも無辜の民をあやめた事もあったと聞く。
逆に、権力者の要求を拒み、家族が犠牲になった事もあった、そう伝わっている。
そして、そんな定めを儚んだ先祖は、己の超能力を封印し、世間から身を隠して、
静かに暮らす道を選んだ。
やがて月日は流れ、人々は僕達一族の存在を忘れ、僕達一族から超能力者が現れる
事も無くなった。
そんな中で、僕は生まれた。
僕は、これまでの一族の歴史の中でも際立って強い超能力を持っていた。
その力は歳を経るごとに増していき、中学生になる頃には、自分でも制御できない
程になっていたんだ。
中学一年の春休み。些細な事が切っ掛けで、超能力が暴走して、クラスメイト達を
危険な目に合わせた。
僕は両親と相談し、超能力に関わった人から、その記憶を消すことにした。勿論、
僕や僕の家族を含めた全員からだ。
ある」
陸くんに促されて、部室備え付けのソファーに腰を下ろす。
そして、私は陸くんの長い長い告白を聞くことになる。
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僕の家系は、代々、超能力者が生まれる家系なんだ。
その力は、神通力とか妖術と呼ばれて恐れられ、時の権力者によって利用された。
反乱の首謀者を遥か遠方から射抜き、敵対する者を原因不明で亡き者にする。
家族を人質にされ、心ならずも無辜の民をあやめた事もあったと聞く。
逆に、権力者の要求を拒み、家族が犠牲になった事もあった、そう伝わっている。
そして、そんな定めを儚んだ先祖は、己の超能力を封印し、世間から身を隠して、
静かに暮らす道を選んだ。
やがて月日は流れ、人々は僕達一族の存在を忘れ、僕達一族から超能力者が現れる
事も無くなった。
そんな中で、僕は生まれた。
僕は、これまでの一族の歴史の中でも際立って強い超能力を持っていた。
その力は歳を経るごとに増していき、中学生になる頃には、自分でも制御できない
程になっていたんだ。
中学一年の春休み。些細な事が切っ掛けで、超能力が暴走して、クラスメイト達を
危険な目に合わせた。
僕は両親と相談し、超能力に関わった人から、その記憶を消すことにした。勿論、
僕や僕の家族を含めた全員からだ。