ブブブブブ。ブブブブブ。ブブブブブ。
 頭上でアラーム音が響く。

 ブブブブブ。ブブブブブ。ブブブブブ。
 うーん。まだ、寝ていたいんだよ。
 もう直ぐ、もう直ぐ起きるから、ちょっと……待ってて……。
「美幸さん。朝だよ。起きて」
 んんん? 男の人の声だ? お父さん?
「美幸さん。起きて。起床の時間」と体を揺り動かされる。
 うーん。伸びをしながら目を覚ます。

 えっ!?
 私の目に陸くんの姿が飛び込んできた。
 な、なんで私の寝室に?
 慌てて枕を胸に抱きしめ、ガードを固める。
「どうしたの? 寝ぼけてる。いま、僕達は宇宙センターに居るんだよ」

 宇宙センター?
 そうだ。思い出した。
 私達は、セルベルクの軌道を変えるミッションのために、ここに居るんだっけ。
 早く起き上がって、準備をしなければ……。
 でも、まだ眠い。
 時計を見ると、午前5時。5時間しか寝ていない。これでは眠いのも無理はない。
 んん? 待てよ……。確か、眠る前に陸くんと何か大事な話をしていたような。
 何だっけか……、たしか……。