私はまだ眠れない。
 疲れているのは本当だけど、陸くんとの話しが終わってない。秘策の内容を聞かず
には眠る気になどなれない……。
 ……んんん。
 そう思っていたのに、俄に睡魔が襲ってきた。
 眠い、体が重い。
 今の陸くんの言葉で暗示にかかったのだろうか。
 瞼が降りてくる。
 意識が霞む。
―すまない。全て、明日話す―
 陸くんからの囁きを受けながら、私は眠りの深淵に沈み込んでいった。