次に私達が受けたのは、無重力作業訓練だった。
巨大プールに沈められたトリフネ宇宙船の実物大模型を使う訓練だ。
浮力を調節して、擬似的に無重力を体験できるようになっている。
トリフネが宇宙空間に到達した後、私達は司令船から居住区画に移動して、暫くの
間、そこで過ごす。更に、セルベルクに近づいたら居住区画から着陸船へ移動する。
全て無重力の中での作業なので、それを事前に体験しておく訓練だ。
もっとも、水の浮力で無重力に似せた状態を作っているので、本番とは違う。
無重力の中では、水を掻いて泳ぐようなわけにはいかないのだ。
無重力作業訓練も、時間の関係で一回だけで終わった。
その他に、宇宙空間での過ごし方の訓練も行った。
食事の仕方、歯の磨き方、顔の洗い方、髪の洗い方、トイレの方法。
とはいえ、実際に無重力状態で実地訓練できる分けではないので、全てがブッツケ
本番ということになる。