実地訓練も、幾つか受けることになった。
まず最初に受けたのは、ロケット打ち上げ時のGに耐える訓練。
遠心式Gシミュレータという機械を使って、訓練を行う。
広い部屋の中に、金属製の巨大な腕のような構造物があり、その一端にカプセルが
取り付けられている。カプセルの中に人が座り、巨大な腕を高速で回転させる事で、
人体にGを加える仕掛けだ。
これで、打ち上げ時の4G、帰還時の6Gを体験できる。
まず最初に陸くんがGを体験。
訓練が終わって、シミュレータを出た陸くんは、不快そうな顔はしていたが、割と
平気に歩いていた。
それならば、と私も勇んでシミュレータに乗り込んだ。
シミュレータが動き出して、徐々にGが加わり始める。体が椅子に押し付けられ、
身動き出来なくなる。眼前のモニター表示が、1G、2G、3Gと増えていく。
それと同時に、視界が暗くなり、色が失われていく。
そして、モニター表示が4Gに変わる辺りで完全に意識が無くなった。
私が目を覚ましたのは、医務室のベッドの上だった。
「気がついたね。良かった」
私の手を握りしめながら、陸くんが優しく声をかける。
「あれ? 私……どうして?」
「Gシミュレータ訓練中に気を失ったんだよ。ブラックアウトってやつさ」
※ブラックアウト:下向きのGのために脳内の血流が減少して気絶すること
「それじゃ、訓練は?」
「中止になったよ。美幸さんは、少し休んだ方が良い」
陸くんの勧めで、私は休む事になった。
本来なら、耐G訓練を何度か受けて、体を慣らしていくところだが、時間に余裕が
ないので、訓練はこの一度きりとなった。
こんなんで大丈夫なのかと不安になったが、
「本番では、念動力で血流が下がらないようにすれば良い」
と陸くんが教えてくれた。
まず最初に受けたのは、ロケット打ち上げ時のGに耐える訓練。
遠心式Gシミュレータという機械を使って、訓練を行う。
広い部屋の中に、金属製の巨大な腕のような構造物があり、その一端にカプセルが
取り付けられている。カプセルの中に人が座り、巨大な腕を高速で回転させる事で、
人体にGを加える仕掛けだ。
これで、打ち上げ時の4G、帰還時の6Gを体験できる。
まず最初に陸くんがGを体験。
訓練が終わって、シミュレータを出た陸くんは、不快そうな顔はしていたが、割と
平気に歩いていた。
それならば、と私も勇んでシミュレータに乗り込んだ。
シミュレータが動き出して、徐々にGが加わり始める。体が椅子に押し付けられ、
身動き出来なくなる。眼前のモニター表示が、1G、2G、3Gと増えていく。
それと同時に、視界が暗くなり、色が失われていく。
そして、モニター表示が4Gに変わる辺りで完全に意識が無くなった。
私が目を覚ましたのは、医務室のベッドの上だった。
「気がついたね。良かった」
私の手を握りしめながら、陸くんが優しく声をかける。
「あれ? 私……どうして?」
「Gシミュレータ訓練中に気を失ったんだよ。ブラックアウトってやつさ」
※ブラックアウト:下向きのGのために脳内の血流が減少して気絶すること
「それじゃ、訓練は?」
「中止になったよ。美幸さんは、少し休んだ方が良い」
陸くんの勧めで、私は休む事になった。
本来なら、耐G訓練を何度か受けて、体を慣らしていくところだが、時間に余裕が
ないので、訓練はこの一度きりとなった。
こんなんで大丈夫なのかと不安になったが、
「本番では、念動力で血流が下がらないようにすれば良い」
と陸くんが教えてくれた。