泪を流しつづける私を陸くんが優しく抱き留める。
―怖いと思うのは、普通の事だ。自分を責めないで―
 おでこを接していないのに陸くんの声が聞こえる。これは、幻聴?

―大丈夫だ。僕に考えがある。君の身の安全は保障する。セルベルクも地球に堕ちる
事はない―
「どうやって?」思わず声が出た。
―声には出さないで。周りには秘密で、事を進めたいんだ。とにかく、僕を信じて―

 陸くんは、今までだって、色んなアイデアでソラシドレスキューの問題を解決して
来た。今度だって、きっと。
 陸くんの胸に埋めていた顔を上げ、陸くんの瞳を見上げる。
―分かった。陸くんを信じる―
 その想いを眼差しに込めた。
 陸くんが頷き返す。
 きっと、陸くんとなら全てが上手く行く。そんな気がする。