「お二人には、トリフネに乗って、セルベルクに飛んで貰います。」
それが、原口局員の答えだった。
「トリフネ? トリフネって、年末に打ち上げ予定の有人月ロケットですよね?」
陸くんが、尋ねる。
「そうです。良くご存じですね」
「多少は……」
「そうですか……」
きっと、陸くんはこういう方面の知識があるのだろう。
原口局員との遣り取りは、暫く陸くんに任せることにしよう。
「それでは、詳しく説明します」
原口局員が、PCを操作する。壁のモニターに再び地球と月の模式図が現れる。
「お二人にはトリフネに搭乗して頂きます。軽量化のため、乗員はお二方だけです。
操縦は全て自動操縦になります」
陸くんが相槌を打つ。
「打ち上げ8分後、一旦地球周回軌道に入り、30分後、月遷移軌道に移行します。
それから、25時間後、トリフネは月に最接近し……」
「えっ!?」
陸くんが声を上げる。
「どうしました?」原口局員が尋ねる。
「いえ……。随分と、早いような気がして。トリフネ計画では月まで二日半かかると
記憶してますが」
陸くんの言葉に、原口局員と谷田部首相が顔を見合わせる。
それが、原口局員の答えだった。
「トリフネ? トリフネって、年末に打ち上げ予定の有人月ロケットですよね?」
陸くんが、尋ねる。
「そうです。良くご存じですね」
「多少は……」
「そうですか……」
きっと、陸くんはこういう方面の知識があるのだろう。
原口局員との遣り取りは、暫く陸くんに任せることにしよう。
「それでは、詳しく説明します」
原口局員が、PCを操作する。壁のモニターに再び地球と月の模式図が現れる。
「お二人にはトリフネに搭乗して頂きます。軽量化のため、乗員はお二方だけです。
操縦は全て自動操縦になります」
陸くんが相槌を打つ。
「打ち上げ8分後、一旦地球周回軌道に入り、30分後、月遷移軌道に移行します。
それから、25時間後、トリフネは月に最接近し……」
「えっ!?」
陸くんが声を上げる。
「どうしました?」原口局員が尋ねる。
「いえ……。随分と、早いような気がして。トリフネ計画では月まで二日半かかると
記憶してますが」
陸くんの言葉に、原口局員と谷田部首相が顔を見合わせる。